Theme.02 メーターオーバーへのアプローチの考察

Theme.02 メーターオーバーへのアプローチの考察

ねらうべきタイミング

効率よくメータークラスをねらって釣ることができる時期という部分では両者にやや違いが見られるが、捕食のタイミングとしてはマルスズキもタイリクスズキも共通しており、ねらいは潮の動く瞬間を捉えることにある。

私の住む干満差の大きな本州瀬戸内側も、濱本さんが通う太平洋側もその部分はしっかりと共通している部分だ。ウェーディングアングラーにとっては潮止まり前後が現実的なねらいのタイミングだが、満潮から下げに転じる一瞬も見逃せないタイミングとなる。

これは個人的な考えだが、魚が群れを形成する際に、ほとんどの場合、大から小、もしくは小から大という並びで三角形を形成して行動することが多いと思っている。例を挙げれば「メバル柱」(メバルが群れて柱状になっている状態)ということになるのだが、これはシーバスの世界にも存在するものだと思う。

110㎝オーバーや10㎏を超す個体のほとんどはタイリクスズキと思われる。地域は限られるが、メーターオーバーのチャンスは高い。

そもそも水深のある海エリアではその三角形を縦に形成することが可能だが、水深のない河川内ではその三角形は横に(面に)形成するしか手段がなく、回遊(遡上)するシーバスの群れをその構図に当てはめると、必然的にランカークラスのシーバスは群れの最前列か最後尾に着く形を取ることになる。そのため、潮の動き始める一瞬とランカークラスのヒットが合致することが多いのではないだろうか。もちろん、潮が動き始めることで活性が上がるとか、込潮と共に遡上する習性があることでその部分がぼやけてしまうこともあるとは思うが、シーバスの群れが三角形を形成することはほぼ間違いがないと思っている。

その根拠になるかどうかは分からないが、ピーキーなタイミングが過ぎてからは、金太郎飴状態で同じサイズが連発することが多い。魚が最も良く釣れる時合というのは、イコール、アベレージといわれる個体が多いということに当てはめられる。私的には70〜80cm台が連発するような状況になった時は、時合であることは表現として間違いないのだが、メータークラスのランカーをねらうタイミングとしては「逸した」という判断を下すひとつのサインとして考えている。

ビッグミノー=ビッグフィッシュ?

昔からいわれている都市伝説みたいな(笑)ものだが、実際ビッグミノーを投げるとビッグフィッシュがヒットするということは事実として存在する。特にここ数年ではジョイント系のビッグミノーが恐ろしい程の爆発力を見せることがあり、釣れてくる魚もメータークラスのシーバスであることが多いから、結構興味深い説ではある。

とはいえ、ルアーマンがいうビッグミノーなんてものはたかが知れており、シーバスタックルで投げられる限界サイズのミノーも、普段シーバスが捕食対象としているベイトと比較すれば取るに足らない大きさである。200mmのルアーも、実際の魚に置き換えてみると「小物」だということだ。

紐解くと、結局はそのルアーが出す波動の大きさが一番の要因だろうが、ジョイント系ビッグミノーは水の動きまでもベイトライクでナチュラルなものを生み出しているのだろう。小さいシルエットのミノーで大きな波動を出す泳ぎを生み出しても、それは自然界には存在することのない不自然なものなのかも知れない。許される許容範囲というものがルアーのアクションにはあるはずだ。

大型シーバスが付くとされるコノシロと比べれば、130mmルアーは小物。大きさより波動に釣れる要因はある。

シチュエーションに合わせたタックルセレクトを意識したい。

濱本部長も、松尾副部長も、
釣りの主体はアップクロス。